2016年7-8月 アルバイト体験記

僕の農作業アルバイト体験記 愛知県名古屋市 田仲玄樹 大学生の4年間、白木果樹園では土佐文旦の繁忙期の間だけアルバイトをさせてもらっていました。 バイト内容は、お客様からの注文を伝票に打ち出す作業、その伝票を梱包した商品に貼る作業、文旦を入れる段ボール箱の組み立て、文旦の箱詰めと様々なものでした。 事務の仕事は暖房の効いた温かい部屋でいかに集中して、素早く正確に数をこなしていくか、というのがテーマでした。 パソコンをいじることが好きなので、この仕事は好きでした。 作業場での仕事は寒い冬ですが体を使うのでそれほど寒くなく、運動が好きな私にとっては積みあがった段ボールを見て「こんなにやったか!」と達成感を味わうことができて、これも好きな仕事でした。 今までやってきた仕事は何をすればいいのかが明確で、本気を出して頭を働かせて効率を追い求めれば作業スピードが上がっていくことが実感できたので、好きだったのだと思います。 しかし、今年の夏のバイトは違いました!!! 事務所ではなく、実際に果物たちと向き合う作業です。 決定的に違うのが、気温です。 |

やはり、夏の暑さは体力・気力・集中力をことごとく奪っていきます。 そして次に、作業内容。 今やっている摘果という作業は、小さい実や枯れた枝をはさみで切っていくのですが、まずそれが探しにくい!どこにあるのって感じです。 蜘蛛の巣、ハエ、複雑に成長をした枝、下に落ちている実、環境のすべてが私の作業を邪魔してきます。 樹の上に登って作業をすることも多く、バランス感覚が必要です。 本当にこれで合っているんだろうか?と思うことも多く、時間がたつのが冬の時よりも2倍、3倍にも感じられます。 ぶっちゃけとても大変です。 でも、当たり前ですが、こういう作業こそが、「文旦をつくること」だと思います。 今までおいしく味わっていた文旦はこういう苦労があったからこそだと思うと、やる気も出ます。 また、休憩の時に青々とした木々に囲まれながらスイカやメロンを食べたり、シャーベット状の文旦ジュースを飲むときは最高にうれしい瞬間です。 私がお世話になっていた3週間はまとまった雨が1日しか降ってくれず、我が身も果物の樹木たちもカラッカラでした。 あまりにも雨が降らないので、用水からポンプで水を汲み上げて撒くという作業もしました。 ここ宮の内は夕方になるとよく曇り始め「おっ、今日こそは雨降るか?」なんて思っていても、全然降ってくれません。 唯一降ってくれた1日の雨は1時間程度で止んでしまいましたが、どれだけ嬉しかったことか!! 本当に農業は天気に一喜一憂してしまう職業なんだなと身をもって感じました。 一つの文旦には、これだけの時間、人、手間がかかっています。 一年中世話をした文旦の木たちが、冬に黄色い実をたくさん実らせ農家に恩返しをする。 なんて素敵じゃないですか! 春にお届けする土佐文旦が、こんな大変な作業の上になりたっていること、お客様に荷物を送るときに、夏場の作業を思いだしそうです。 僕が少しだけですが携わった文旦を喜んで頂けることが、大変嬉しく思います。 |

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園主から一言! この時は臨時の教員だったので、休みの期間収入がなくバイトという事で白木果樹園に戻って来てくれたことは非常に嬉しかったですし、心強かったです。 若い方が田舎の果樹園で仕事するという事は、体力的にも精神的にも大丈夫だろうか?と不安もありましたが、僅かな期間でもしっかりと目的意識を持ち、またひとつひとつの仕事に目標も設定して取り組んでいたことは、今後の仕事にも役立つことでしょう! 特に子供たちに教える立場の教員となれば、子供たちの個性ややる気を引出し、それぞれの道へ導くことが必要となります。 今回の体験でそんな指導者になるための基礎のひとつでも掴んでくれたんじゃないでしょうか? 目的・目標に向かって進む若者たちに、是非このような経験を体験してもらいたいものです。 園主 白木浩一 |
